
第45回日本骨代謝学会学術集会
会長 小林 泰浩
(こばやし やすひろ)
松本歯科大学硬組織疾患制御再建学講座
このたび、第45回日本骨代謝学会学術集会を、2027年6月27日(日)から6月30日(水)の4日間にわたり、沖縄県那覇市の那覇文化芸術劇場「なはーと」で開催する運びとなりました。日本骨代謝学会は、骨代謝研究会に発し、六十数年の長きにわたり我が国の骨ミネラル代謝、硬組織研究を牽引してきた歴史と実績を誇る学会です。
骨を構成する破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞とそれらを制御する因子の研究から、活性型ビタミンD3製剤、エストロゲン受容体調整薬、ビスホスホネートなど骨粗鬆症に対する治療薬が開発されました。さらに破骨細胞分化誘導因子RANKLや Wnt阻害因子Sost, FGF-23など骨細胞が作り出す制御因子の同定が進んだことで、強力に骨量増加を望める抗体製剤やPTH製剤、抗FGF-23抗体などが実用化されました。日本骨代謝学会学術大会は、このような骨粗鬆治療薬の発見や治験を発表・波及させる場として会員知識の向上ひいては骨代謝学の発展に大いに貢献してきました。現在、骨代謝研究が成熟期を迎え、新たな骨粗鬆症治療薬の開発が、容易でない時代が訪れています。
一方、一細胞トランスクリプトーム解析や空間トランスクリプトーム解析、臨床ビックデータ解析など新たな実験手法が開発され、従来のリアルタイムPCR解析や組織学的解析に比べ、情報量が多く、かつバイアスの少ないデータが得られるようになってきました。骨格幹細胞のキャラクタリゼーションもこのような新手法の貢献によるところが大きいと思われます。このような手法がさらに発達することで、新たな幹細胞の同定やそれを基盤に骨粗鬆症治療薬の開発につながる可能性が、まだまだあるのではないかと考えます。
本会のテーマは「Discover what lies beyond…」といたしました。「さらなるものを発見しよう」になるかと思います。骨粗鬆症治療薬や希少疾患に対する新たな治療薬の開発が強く望まれる現在、本学会に参加することで、各々の会員が、今までの概念や治療法を超えるためのヒントを閃くような学会にしたいとの願いを込めさせていただきました。梅雨あけ早々、ピーカンの那覇の雰囲気も新たな閃きの一助となることを願っております。参加者が新たな発見ができる学会運営を目指す所存でございます。
末筆ながら、皆様の益々のご健勝、ご発展をご祈念申し上げます。

